昭和23年に大阪市南区(現中央区)宗右衛門町で創業した福壽堂秀信は、80年近い歴史がある和菓子店ですが、今回は、阪神百貨店梅田本店のお店限定「あんクリームオムレット」についてです。
ここ最近、お菓子の世界では「あんバター」がひとつのジャンルとして確立した感があります。お菓子の味わいの流行も、塩がきて、抹茶で、キャラメルで・・・と、流行りだすと一斉にその味わいのお菓子が出てきて、「あんバター」もその列に連なっている感じですが、個人的に「あん」と「バター」の組み合わせからは逃れられないものがあります。
これも「あんバター」のお菓子なのですが、「あんクリームオムレット」という名前で、「あんバターオムレット」ではないのです。
このお菓子が世に出たのは2022年6月。「あんバター」の流行りはじわじわ来ていましたが、まだ今ほどではなかった時期です。とは言え「あんバター」を名乗らないのは奥ゆかしすぎませんか?今からでも名前を「あんバターオムレット」にしないともったいない。
なんでこんなに力んでるかといいますと、「あんクリームオムレット」、すごく美味しいんです。
ふんわりしっとりのカステラ生地を二つに折って、発酵バターのクリームと、さすが福壽堂秀信という感じのこしあんが包まれています。軽いのにしっとりしたカステラ生地と、上品なバタークリーム、あっさり目に仕上げられながら小豆の風味が良いこしあん、このバランスが絶妙です。このバランスを堪能するには、フォークで品よくいただくより、手でもってかぶりつくのが正解かと。
名前が「あんクリームオムレット」なのは、あくまでもあんが主役、というお店の潔さかもしれません。
今回は、定番の小豆あんと、たぶん季節限定の五郎島金時あんをいただきました。季節ごとに限定商品が出ているようですが、夏季は「あんクリームオムレット」自体を販売していません。販売時期は毎年10月~4月だったと思います。
福壽堂秀信は、3日かかる自家製餡をはじめ、丁寧なお菓子作りをされているお店です。また、新しいお菓子作りにも積極的で、「ふくふくふ」など、ほかにはないお菓子も作られています。
大阪にお越しの際は是非。
福寿堂秀信 阪神梅田本店
大阪市北区梅田1丁目13-13
HP
菓匠館 福壽堂秀信|1948年創業 大阪の和菓子屋
福壽堂秀信(阪神梅田本店)


コメント