萬御菓子誂處 樫舎

奈良の猿沢池から南に約300m、ならまち大通りに出たところに、歴史を感じる佇まいの和菓子店「樫舎」があります。
暖簾をくぐり引戸を入ると、小さい土間になっていて、右手には畳敷きの間があり、通りに面した窓際に生菓子の見本と干菓子が並べられています。控えめで慎ましやかな様子が、秋の穏やかな陽の光に照らされて、しんと落ち着いた気持ちになります。
お店の方がお菓子の説明をしてくださって、栗の季節でしたので、栗きんとん、栗の甘露煮が入っている上用(薯蕷)、栗の葛焼きを選びました。
写真は葛焼きです。栗きんとんと上用(薯蕷)は、残念ながら写真を撮るのを忘れていました。

栗のお菓子ばかり選びましたが、栗が大好きなので正解でした。どれも栗の風味が驚くほどふわっと広がってとても美味しかったです。
栗葛焼きは、吉野本葛に肥後利平と北海甜菜糖を合わせたものだそうで、葛のもちもち感に栗が加わることで、歯切れの良さも出ているように思います。栗の風味を堪能できるお菓子です。
栗きんとんは渋皮煮を使っておられるのでしょうか、黄色ではなく栗色のきんとんがこしあんを覆っています。選んだ中では、これが一番栗の風味がしっかりと味わえました。
上用(薯蕷)は見た目が地味なので(失礼)、最初は選択肢になかったのですが、お店の方が、こちらが栗好きなのを察して勧めてくださいました。ほかの二品と違って、これは栗の甘露煮がそのまま入っているのですが、まるで焼き栗のような、しっかりした栗の風味に驚きました。

お店のXで、栗葛焼きの投稿には、「風味の全てを産地に依存、ただ砂糖を合わせるだけ。」とありますが、シンプルな素材だけでこれだけ素晴らしい風味を引き出すのは、素材を選び抜き、活かす技があってのことと思われます。

なお、喫茶も可能で、夏には氷が人気のようです。また、完全予約制の「和菓子のコース」もあるようで、次はぜひいただいてみようと思っています。

萬御菓子誂處 樫舎
 奈良県奈良市中院町22-3
HP
 樫舎の和菓子作り|和菓子の樫舎[かしや]

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